インドネシアの 賃貸アパートに関わる 税金について

インドネシアでアパート(賃貸物件)を契約する際、税金「PPh 10%」という項目を見かけて、「これって何?」「誰が払うもの?」と疑問に思ったことはありませんか?

特に日系企業の駐在員様が契約される場合、日本の賃貸借契約にはないインドネシア独自の税金ルールが関係してきます。

インドネシアの家賃にかかる税金(2025年最新版)

日本の税制とは仕組みが大きく異なります。
家賃に関して、大きく分けて2種類の税金が関わります。

  • 1. PPh 4(2) Final(最終課税の所得税:10%)
  • 2. PPN(付加価値税:12%)

ポイント:物件のオーナーが「個人」か「法人」かによって、課税の方法が変わります。

PPh Final(家賃所得税)の仕組み

PPh Finalとは、不動産の賃貸収入に課される「最終課税」です。
「Final(確定課税)」のため、納税後に追加申告や還付の手続きは一切ありません。

オーナーの収入に対して 10% が課され、借主法人が源泉徴収(天引き)を行い、新システム CoreTax を通じて納税します。

オーナー属性による税金の違い

👤 個人オーナー


所得税 (PPh 10%) 借主(会社)が源泉徴収し、CoreTaxで納税します。システム上で確認可能ですが、実務上はオーナーから証明書(Bukti Potong)を求められることが一般的です。

付加価値税 (PPN) 原則としてかかりません※オーナーが課税事業者(PKP)の場合のみ12%(実質11%)が適用されます。

家賃の提示方法 「税抜き(手取り額)」で提示されるのが一般的です。

🏢 法人オーナー


所得税 (PPh 10%) 法人側で一括処理されるケースが多いですが、契約形態により借主側での源泉徴収が必要な場合もあります。

付加価値税 (PPN 12%) 家賃に上乗せされます。政府の調整措置により、実質的な負担額は11%相当となります。

家賃の提示方法 契約書に税金の記載が明確にないケースがあるため、グロス(税込)かネット(税別)かの事前確認が不可欠です。

※2025年現在のPPNは法律上12%ですが、家賃等のサービスについては課税標準(DPP)が11/12に調整されるため、実質負担は11%に据え置かれています。

【実践】個人オーナー物件の家賃計算例

インドネシアの個人オーナーからアパートを借りる際、提示される家賃はオーナーが最終的に受け取りたい「手取り額(Net)」であることが一般的です。

法人が契約者となる場合、この「手取り額」をベースに、税金分を上乗せした「グロス額(支払総額)」を算出する必要があります。

提示家賃が「税込(Gross)」の場合

オーナーが「家賃の中に所得税10%を含めて良い」と承諾しているケースです。

  • 提示家賃(支払総額): USD 24,000
  • 所得税 (PPh 10%): USD 2,400
  • オーナー受取額: USD 21,600

※会社側の支払総額は提示額(USD 24,000)通りとなります。

提示家賃が「税抜(Net)」の場合
(最も一般的)

オーナーが「手元にこの金額を残したい」と希望する、インドネシアで最も多いケースです。

  • 提示家賃(オーナー希望額): USD 21,600
  • グロスアップ計算(税込換算): 21,600 ÷ 0.9
  • 契約上の家賃総額: USD 24,000

【実際の送金・振込先】

● オーナーへの送金額: USD 21,600

● 税務署への納税額 (PPh): USD 2,400

※オーナーへの支払額は変わりませんが、会社側の税務コストとして10%分を上乗せして計上する必要があります。

よくあるご質問 (Q&A)

Q. 日本の本社から直接送金する場合、PPhは差し引かなくて良いですか?
日本の会社側に「源泉徴収」の義務はありませんが、オーナー側の「納税義務」は残ります。
日本の会社はインドネシアの税法上の義務者ではないため、通常は家賃全額(100%)をオーナーへ送金します。しかし、オーナーはインドネシア国内の所得として10%を自身で申告・納税しなければなりません。後々のトラブルを防ぐため、契約書に「オーナーの責任で納税を行うこと」を明記しておくことを推奨します。
Q. 個人オーナーから「10%分も自分の口座に振り込んで」と言われました。
インドネシア国内の会社から支払う場合は、原則としてお断りしてください。
法人契約の場合、会社側に源泉徴収と納税の義務があります。オーナーに全額支払ってしまうと、会社は別途自腹で10%を納税することになり、事実上の「二重払い」となってしまいます。契約前に「納税は会社が行う」ことを明確に合意しておくことが重要です。
Q. 2025年からの「PPN実質11%」は、いつまで続くルールですか?
現時点では政府による時限的な調整措置であり、具体的な終了時期は明示されていません。インドネシアの税制は変更が多いため、メゾンマップ不動産では常に最新の政府公報を確認し、お客様へフィードバックを行っております。
Q. 契約の途中でオーナーが個人から法人(管理会社)に変わった場合は?
貸主が法人に変わると、新たにPPN(12%・実質11%相当)が発生する可能性が高くなります。税金の負担増や納税方法が大きく変わるため、オーナー側との再交渉や契約書の修正が必要になる重要な局面です。
Q. 納税証明書(Bukti Potong)を紛失してしまいました。
2025年現在の新システム「CoreTax」では、納税データがデジタルで管理されています。会社側のシステムから再発行やデータの確認が可能です。貴社の経理担当者様に依頼し、PDFデータ等を共有してもらうことでオーナー様への提示もスムーズに行えます。

【さらに詳しく知りたい方へ】
今回は個人オーナー物件を中心とした「PPh」の解説でしたが、サービスアパートや管理会社物件で発生する「PPN 12%(実質11%負担)」については、以下の記事でより詳しく解説しています。


👉 インドネシアの家賃にかかるPPN(付加価値税)の完全ガイド

まとめ

インドネシアの賃貸契約は、オーナーによって「Net(手取り)」や「Gross(税込)」の提示が混在しており、非常に複雑です。

見積書の金額が想定と違う、計算方法がわからないといった場合は、契約前にぜひメゾンマップ不動産へご相談ください。

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